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社長の故郷への寄附金

 生まれ育った故郷への思い入れは、誰しもが持っているものです。自分が大成した後、寄付金という形で故郷に「恩返し」しようと考える人は少なくないと思いますが、東北関東大震災の影響でその傾向は増加の一途であるようです。

 しかし、このような「故郷への寄付金」を、自分の財布ではなく、自分が経営する会社の金庫から支出しようという場合には、税務上の取り扱いに少し注意が必要です。

 会社が国や自治体に対して支出する寄付金については、税務上、原則として損金算入が認められています。しかし、「寄付金」という名目で支出した金銭であっても、その具体的な内容によっては損金算入処理が否認されるケースもあるのです。

 たとえば、社長の出身地など、社長と個人的なつながりのある自治体に寄付をしたケース。この場合、客観的に見てその寄付金が「本来であれば社長個人が負担すべきもの」と認められるのであれば、会社が負担した寄付金相当額は社長に対する給与扱いとなってしまいます。

 そして、あくまで単発の寄付行為であることから「臨時の給与」扱いとなり、税務上の損金不算入扱いとなるので注意が必要です。

 会社が国や自治体などに対して寄付をする場合、それを税務上の「寄付金」として損金処理したいということであれば、会社の「営業上の理由」や「経営方針」など、社長個人ではなく会社として関わりがあることが望ましいと考えられます。そして、そのことをいつでも税務署の調査官に説明できるよう、客観的な説得材料を用意しておけば、なお安心です。